議案第1号 賛成討論 1番 北川広人 議長のお許しを頂きましたので、先の通告に従い、議案第1号「高浜市議会の議員の定数を定める条例の一部改正について」に対しまして、森 英男議員、宮田克弥議員、寺田正人議員、吉岡初浩議員、内藤皓嗣議員、磯貝正隆議員、鈴木勝彦議員、そして私、北川広人がメンバーとして所属する市政クラブを代表しまして、賛成の立場で討論をさせて頂きます。尚、本日は大変にたくさんの市民の方々が傍聴にみえております。この議案に関しましては昨年九月議会に我々市政クラブと政風会の佐野議員とで議員提案したものでもあります。九月議会での我々の議論を傍聴の皆様にも知って頂く意味と、本日の会議に出席の議員全員に今一度考えて頂き、すべての議員の賛同を得るためにも、議員提案に至った経緯と当時の議論の内容を討論に取り込みまして進めさせて頂きます。よろしくお願い致します。それでは討論に入らせて頂きます。わが国の地方自治体は急変する時代背景の中で、量、質、機能の部分からの改革が必要不可欠であると考えておりますし、むしろ急務であると認識するものであります。地方自治の変革は、市民自ら自己責任で担っていく時代の到来であり、市民が主体の地域運営となっていくことが容易に予想されます。それは市民協働のまちづくりの仕組みや組織の改革を進めることによって、地方議会のあり方、性格や、市民に期待されている様々な事柄が大きく変わってくることに繋がると思います。そして議員の置かれた立場や広範な役割など、議員のあり方が大きく変わってくるものでもあります。さらに21世紀の地方自治体及び地方議会には、自立と自律、みずから立つ事とみずからを律する事が課せられております。いかに国に依存せずに地方の将来を自らの頭脳で考え出し、いかにして持続可能な経済社会を構築することができるかが問われていることは今さら申し上げることもないところであります。そして、議員の資質、能力はもとより、改革に寄せる志の高さなどが市民、特に有権者の大きな関心事になっていることも事実であると思います。 そこで、我々市政クラブは一昨年12月に「現状に甘んずることなく議員自ら議会を見直していくべきである」との考えで、「議会改革会議」の設置を提案させて頂き、各会派、全議員参加協力の下、14回の会議を行ないました。市政クラブでは、まず「誰のための議会改革」なのかをしっかりと考えて議論を重ねてまいりました。そしてそれは「市民のための議会改革」でなければならないという結論を再認識致しました。その上で、「市民のための議会改革」を我々議員が自らの手でしていかなければならないと襟を正した訳であります。その中で議会における議員定数に対しては、現状維持なのか、削減なのか、或いは増員なのか、という議論から、この「議会改革会議」の中で、議員定数に関して削減をすべきと提言を致しました。現行の18名という議員数でなくても十分に議会運営、議会活動は可能であるという判断であります。そして議会機能を十分に現状維持できると考えるものであります。むしろ削減した人数で議会機能を現状維持するということは機能向上とも言えるのではないでしょうか。当時の議論の中で出された意見と我々市政クラブの見解を一部述べさせて頂きます。他会派から議員定数削減が議会改革なのかとの意見がありました。それに対しまして我々は、行政に行政改革を提案し、推進させている我々議員が、自らの組織である議会について考えていく必要性があるとの観点から、議員定数の見直しをすべきとの議論を経て、今回議員定数削減の提案に賛成するという考えであります。また議会改革は定数を削減すればそれで終わるようなものではありません。地方分権が実行されようとする時代に、何が議会本来の役割であるのか、議員活動を支えるための仕組みはどうあるべきなのか、市民に対して議会は分かり易いものであるのか等、常に真摯な議論がこれからも必要と考えております。また定数削減をして議員の質の向上がはかれるかという質問やむしろ立候補する人が減ることにより資質がさがるのではないかという意見がありました。これに対しまして我々は、議員自らが定数削減により緊張した環境におかれることにより、結果として質の向上が図られると考えますし、資質向上は議員としていつでも目指すべきで、その1つの方法としての議員定数削減もあってもいいのではないかと考えます。定数が減ると立候補する人が減るというそんな相関関係はないと考えます。また法定定数が26名となっているのにも係わらず、現在の18名からの削減はおかしい、当市が県下でも高い削減率であるとの意見や人口が増えているのに議員定数削減は賛成できないとの意見がありました。これに対しまして我々は、法廷定数というのは上限数値であり、目標値ではないと考えますし、それぞれの地域で判断し議員定数は定めるものであると考えております。また、当市の人口が増えていることに対しましては5万人に満たない現段階の人口では、十分に議員定数削減が可能であるという判断をしておりますし、議員一人が抱える市民の数という考え方自体がおかしな考え方であり、人口対比の議員数という判断は逆に市民への負担を招く恐れすらあると考えます。議員数を人口の増減で自動的に決めるようなことは避け、自主的に理由を付けて決めるべきと考えますし、他市の動向などは参考にしても、それに縛られるようなことはすべきでないと考えます。また「市民の声が行政に届きにくくなる」等の意見もありました。これに対しまして我々は、「市民の声を行政に届かせる」ということは議員の努力の問題であり、定数削減すれば市民の声が聞けないというのではないと思います。我々議員が市民の声を聞く姿勢を持ち、聞く努力をしようとすべきということであり、議員の人数イコール市民の声ではないと考えます。むしろ議員の資質イコール市民の声ではないでしょうか。また、行政監視力が低下するとの意見もありました。これも議員の資質の問題であり、現状でも資質向上することが大切であるわけですから、全く論外であると考えますし、ここにおられる先輩議員の皆さんは過去に議員定数削減をされてきております。定数削減により市民の声の反映や行政監視能力が低下してきたと思われるなら、それは自らの今までの議員活動を否定するものではないのでしょうか。また地域内分権が進んできたが、まちづくり協議会や町内会で議会の代わりにはならないとの意見もありました。これこそ論外であり、市民団体等が議会の代わりになるとは思っておりませんし、代わりになる訳がありません。市民団体等が目的をもって活発な活動をしている現在では、ある程度集約された意見を聞かせて頂けることも考えられますし、その部分を含むと議員としての活動はし易い体制及び基盤が出来てきていると考えるものであります。また時期尚早との意見もありましたが、時期とは一体何でしょうか。改革とは常に考えるべきことであり、素早く実行することが大切であると考えます。今年は当議会も改選の年であります。今この議員定数削減という議会改革をしなければ、次の改革は4年後にしかやってきません。議員定数が減れば、市民の議員を選ぶ責任が当然増す訳でありますから、その重くなった市民の付託に対して、我々議員は自らを研鑽し資質を向上させ、責任としてしっかりと受け止めなければならないと考えます。すべてではありませんが、以上のような議論を交わし、我々市政クラブは益々議会改革の必要性を感じ、また議員定数削減に対しても十分に市民の理解を得られると確信致したところであります。何かを変えるには大きなエネルギーが必要であります。大きな変革をするには勇気が必要であります。世の変化に対して素早く柔軟な対応をすべきと考えます。議員の立場や名誉のためではなく、守るべきは市民の声であります。市民のための議会改革を行うべきであります。我々議員は自らを律しなければならないのです。尚且つ、議会のことはできるだけ市民の手を煩わせることなく、議員自らが改革をし、自らの意思で実行すべきであると確信しております。しかしながら、今回6,525名もの署名を集めての住民直接請求という形で、市民の方々に手を煩わせてしまいました。この段階ですでに議員として恥ずべき事だと感じますし、署名されたすべての市民の方々に心よりお詫びを申し上げなければならないと感じております。議員全員におかれましては、自ら、本来の議員としての立場を今一度考えて頂き、全員が賛同されますことを信じております。 以上を踏まえて、現状に甘んずることなく常に高い志しを掲げ、改革精神を全うすべきと考え、我々市政クラブは議員定数を18名から16名への条例改正を議員としての誇りをもって賛成するものであります。
議案第81号「高浜市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について」賛成討論 1番 北川広人 議長のお許しを頂きましたので、議案第81号「高浜市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について」に対しまして市政クラブを代表し、賛成の立場で討論をさせて頂きます。 本年9月の定例会においての私の一般質問でも明らかになったことでありますが、現在の全国的な医師不足はかなり深刻化しており、様々な病院が大変な状況に陥っているといっても決して過言でないと思います。厚生労働省の2004年の調査によると、愛知県の人口10万人あたりの医師数は174.9人で、全国平均の201.0人を大きく下回っております。本年6月の愛知県医務国保課が県内の348病院を対象に行なったアンケート調査でも、3分の1近い116病院が、医師不足と答えております。過疎地だけでなく、名古屋近郊の病院でも医師不足が発生しているとも聞き及んでおります。また愛知県のドクターバンクでは23件の求人申し込みに対して登録した医師は4人しかいないそうです。三重県では、医師を県職員として採用し、医師不足の病院へ派遣するドクタープール制を導入しましたが、応募がなく、医療関係の人材派遣会社に1人100万円の成功報酬で人材確保を依頼しているそうであります。正に深刻化では済まされない、病院によっては廃院に追い込まれるほどの状況であります。高浜市立病院においても医師数の不足により地域住民の医療サービスが滞り、サービス低下の状態が続いていることは周知の事実であります。このような事態は決して予想されたものではありませんが、本年度当初からの医師不足により診療体制基盤が弱体化し、入院及び外来収益の減少や残った医師の労働環境悪化などが、病院の存続を脅かす喫緊の課題となっているのであります。そもそも行政には病院経営の基本の中に開設者として、「その地域に不足している医療に積極的に取り組むこと」「住民ニーズに対応した医療を提供すること」と謳っております。今回のこの高浜市病院事業の設置等に関する条例の一部改正は、病院の経営形態については公設公営にこだわることなく、正に地域の医療を守るために、また医療の継続を第一に考えてのことと判断できます。指定管理者制度の導入も選択肢の一つとして、つまりツールとして検討していくべきであり、これは十分に理解できるものであります。以上を踏まえて我々市政クラブはこの議案第81号に対しまして市民のために、声を大にして賛成とさせて頂きます。
議案第74号 賛成討論 1番 北川広人 議長のお許しを頂きましたので、先の通告に従い、議案第74号「高浜市議会の議員の定数を定める条例の一部改正について」に対しまして、賛成の立場で討論をさせて頂きます。わが国の地方自治体は急変する時代背景の中で、量、質、機能の部分からの改革が必要不可欠であると考えておりますし、むしろ急務であると認識するものであります。地方自治の変革は、市民自ら自己責任で担っていく時代の到来であり、市民が主体の地域運営となっていくことが容易に予想されます。それは市民協働のまちづくりの仕組みや組織の改革を進めることによって、地方議会のあり方、性格や、市民に期待されている様々な事柄が大きく変わってくることに繋がると思います。そして議員の置かれた立場や広範な役割など、議員のあり方が大きく変わってくるものでもあります。さらに21世紀の地方自治体及び地方議会には、自立と自律、みずから立つ事とみずからを律する事が課せられております。いかに国に依存せずに地方の将来を自らの頭脳で考え出し、いかにして持続可能な経済社会を構築することができるかが問われていることは今さら申し上げることもないところであります。そして、議員の資質、能力はもとより、改革に寄せる志の高さなどが市民、特に有権者の大きな関心事になっていることも事実であるといえるのではないでしょうか。 そこで、我々市政クラブは昨年12月「現状に甘んずることなく議員自ら議会を見直していくべきである」との考えで、「議会改革会議」の設置を提案させて頂き、各会派、全議員参加協力の下、現在も議論を重ねている状況であります。我々市政クラブは、まず「誰のための議会改革」なのかをしっかりと考えて議論を重ねてまいりました。そしてそれは「市民のための議会改革」でなければならないという結論を再認識したところであります。その上で、「市民のための議会改革」を我々議員が自らの手でしていかなければならないと襟を正した訳であります。そして議会における議員定数に対しては現状維持なのか、削減なのか、或いは増員なのか、という議論から、この「議会改革会議」の中で、議員定数に関して削減をすべきと提言をさせて頂きました。現行の18名という議員定数でなくても十分に議会運営、議会活動は可能であるという判断であります。そして議会機能を十分に現状維持できると考えるものであります。むしろ削減した人数で議会機能を現状維持するということは機能向上するものともいえるのではないかとも考えます。今回提案しております議員定数の削減は1名でも削減でありますが、議決において議長を除くことを考えますと定数は偶数が望ましいと考え、2名の削減と致しました。要は2名削減というのは最低限の削減数といえると思います。他会派からは議員定数削減が議会改革なのかとの意見もありましたが、それに対しましては、行政に行政改革を提案し、推進させている我々議員が、自らの組織である議会について考えていく必要性があるとの観点から、議員定数の見直しをすべきとの議論を経て、今回議員定数削減の提案をさせて頂いたという考えであります。また議会改革は定数を削減すればそれで終わるようなものではありません。地方分権が実行されようとする時代に、何が議会本来の役割であるのか、議員活動を支えるための仕組みはどうあるべきなのか、市民に対して議会は分かり易いものであるのか等、常に真摯な議論がこれからも必要と考えております。また定数削減をして質の向上がはかれるかという疑問やむしろ立候補する人が減ることにより資質がさがるのではないかという意見に対しましては、議員自らが定数削減により緊張した環境におかれることにより、結果として質の向上が図られると考えますし、資質向上は議員としていつでも目指すべきで、その1つの方法としての議員削減もあってもいいのではないかと考えます。定数が減ると立候補する人が減るというそんな相関関係はないと考えます。また法定定数が26名となっているのにも係わらず、現在の18名からの削減はおかしいとの意見や人口が増えているのに議員定数削減は賛成できないとの意見がありましたが、法廷定数は上限数値であり、目標値ではありません。それぞれの地域で判断し議員定数は定めるものと考えます。人口が増えていることに対しましては5万人に満たない現段階の人口では、十分に議員定数削減が可能であるという判断であります。議員一人が抱える市民の数という考え方自体がおかしな考え方であり、人口対比の議員数という判断は逆に市民の負担を招く恐れすらあると考えます。議員数を人口の増減で自動的に決めるようなことは避け、自主的に理由を付けて決めるべきと考えますし、他市の動向などは参考にしても、それに縛られるようなことはすべきでないと考えます。また「市民の声が行政に届きにくくなる」等の意見もありましたが、それは我々議員の努力の問題であり、定数削減すれば声が聞けないというのではないと思います。我々議員が市民の声を聞く姿勢を持ち、聞く努力をしようとすべきということであり、議員の人数イコール市民の声ではないと考えます。また、行政監視力が低下するとの意見もありましたが、これは議員の資質の問題であり、現状でも資質向上することが大切であるわけですから、全く論外であると考えますし、ここにおられる先輩議員の皆さんは過去に議員定数削減をされてきております。定数削減により市民の声の反映や行政監視能力が低下してきたと思われるなら、それは自らの議員活動を否定するものではないのでしょうか。また地域内分権が進んできたが、まちづくり協議会や町内会で議会の代わりはできないとの意見もありましたが、これこそ論外であり、市民団体等が議会の代わりになるとは思っておりませんし、代わりになる訳がありません。市民団体等が目的をもって活発な活動をしている現在では、ある程度集約された意見を聞かせて頂けることも考えられますし、その部分を含むと議員としての活動はし易い体制及び基盤が出来てきていると考えるものであります。また時期尚早との意見もありましたが、時期とは一体何でしょうか。改革とは常に考えるべきことであり、素早く実行することが大切であると考えます。来年は当議会も改選の年であります。今この議員定数削減という議会改革をしなければ、次の改革は4年後にしかやってきません。議員定数が減れば、市民の議員を選ぶ責任が当然増す訳でありますから、その重くなった市民の付託に対して、我々議員は自らを研鑽し資質を向上させ、しっかりと責任として受け止めなければならないと考えます。何かを変えるには大きなエネルギーが必要であります。大きな変革をするには勇気が必要であります。世の変化に対して素早く柔軟な対応をすべきと考えます。議員の立場や名誉のためではなく、自らを律しなければならないのではないでしょうか。守るべきは市民であります。市民のための議会改革を行うべきであります。尚且つ、議会のことはできるだけ市民の手を煩わせることなく、議員自らが改革をし、自らの意思で実行すべきであると確信しております。 よって現状に甘んずることなく常に高い志しを掲げ、改革精神を全うすべきと考え、議員定数を18名から16名への条例改正を議員としての誇りをもって提案するものであります。議員全員におかれましては、自らの議員としての立場を今一度考えて頂き、誇りをもって賛同されますことを信じております。 以上をもちまして賛成の立場での討論とさせて頂きます。
平成18年度6月度定例会 一般質問1番 北 川 広 人 議長のお許しを頂きましたので、先の通告に従い「高浜市立図書館について」、(1) 図書館の現況について、(2) 図書館の今後の展望についての一般質問をさせて頂きます。 国際連合教育科学文化機関『ユネスコ』による「公立図書館宣言」は1949年に宣言され、1972年と1994年に改定をされております。その中で、「社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本価値」であり、それは「十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会において積極的な役割を果たす能力によって達成される」としており、「地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人及び社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する」と宣言しております。この宣言の背景には、1985年に同じ『ユネスコ』が第4回国際成人教育会議にて承認した「学習権宣言」があり、その中で「学習権とは、読み書きを学ぶ権利であり」、「人類の生存にとって不可欠の道具であり」、「学習権なくしては、人間的発達はありえない」としております。つまり、公立図書館は、すべての人に「いつでも、どこでも、なんでも」読むことを保障する場であることを国際的に認識されてきた存在であると言えるでしょう。 この日本においても1950年に「図書館法」を制定し、「公開性、公費による設置・運営、無料」の原則を備えたパブリックライブラリーが制度化されてはきました。しかしながら、大多数の図書館は、戦前からの大図書館を中心とする館内閲覧・管理・保存を重視する、言わば、消極的な姿勢で運営されてきたと思われます。そして1963年に日本図書館協会の刊行物である「中小都市における公共図書館の運営」が発刊されました。これによりますと、図書館のもっとも大事な役割は、住民に資料を貸し出すことであり、住民にとって必要なのは大図書館ではなく、身近な生活圏内にある図書館であることが明確化されております。次いで1970年に日本図書館協会は、公立図書館の課題を@市民の求める図書を気軽に貸し出すこと。A児童の読書要求に応え、徹底して児童にサービスすること。Bあらゆる人々に図書を貸し出し、図書館を市民の身近に置くために全域にサービス網をはりめぐらすこと。の3点に具体化しました。これらの施策により、全国的に子ども文庫活動を中心にした住民の支持と図書館づくり運動の広がりがあり、住民の身近にある中小の図書館の画期的な発展があったと考えられます。 その後2004年から文部科学省が設置した「これからの図書館の在り方検討協力者会議」は、2005年9月に議論の概要を公表し、この中に今後の公立図書館の目指す方向として様々な提案がなされています。その中にある「課題解決支援・情報提供機能の充実」の項目では、「これまでの公立図書館は、どちらかというと文化教養機能を重視してきた。言わば『本を楽しむ型サービス』である。今後は時事に関する情報の提供を進め、現代的課題に関する情報提供を重視し、言わば『本を利用する型サービス』への転換をすべきであるとしております。また当時、浦安市立図書館長だった常世田(とこよだ)氏は2004年秋の全国図書館大会において、地域の人々の自己判断力強化のために、公立図書館が果たすべき役割について、5項目にわたった提案を行っています。それは1番目として地元企業、商店やNPO、勤労者などへの情報提供である。すなわちビジネス支援が必要であるとしています。2番目として農業、漁業、酪農、林業への情報提供である。広い意味でのビジネス支援であるが従来農協・漁協というような上部組織から一方的に提供されてきた情報とは異なる情報提供の役割が必要であるとしています。3番目として法律情報の提供である。身近な暮らしに欠かせず、自己責任・自己判断の最たる法律であるが、専門家に任せてしまうのではなく、広く国民自身がコントロールするためには、図書館での分かりやすい資料の提供が欠かせないとしています。4番目は医療情報の提供である。患者が医療の主人公として、自分自身の医療を選択するインフォームド・コンセントが実現するためには、患者への医療情報は欠かせないとしています。そして5番目が行政情報の提供である。「開かれた行政」への取り組みが盛んになって、様々な行政施策に市民参加が求められる時代となってきた現代では、市民が自己判断できるような情報提供は必須であるとしています。これらの5項目を総合的にいうと、公立図書館が担う役割は、現代に生きる人々に生涯にわたって「生きて働く力」となる情報の提供を行うことであると提案しています。常世田(とこよだ)氏は、こういう情報を従来の印刷資料とデジタル情報のそれぞれの特性を生かし、有機的に組み合わせて伝える機能を持つ「ハイブリット図書館」の可能性を提案しております。私自身は、この「常世田提案」に対して、ユニークと言いますか、ある面突飛と言いますか、しかしながら1つの方向性ではなく、たくさんの可能性を示している点で非常に興味をもたされました。 以上のように、時代とともに公立図書館に対する全国的な流れがあったわけですが、今後この高浜市において市立図書館がどのような位置づけで考えられていくべきなのか、大きな転換期が間近にきているのではないかと思えての、今回の一般質問であることをあらためて強調しておきたいと思います。 それでは、高浜市立図書館の現況についてお聞きしたいと思います。平成13年の文部科学省による告示「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」によれば、市町村立図書館においては@運営の基本A資料の収集・提供等、Bレファレンス・サービス等、C利用者に応じた図書館サービス、D多様な学習機会の提供、Eボランティアの参加の促進、F広報及び情報公開、G職員、H開館日時等、I図書館協議会、J施設・設備といった基準が制定されています。高浜市においては高浜市立図書館がどのような形で運営されているのか現況を先の基準にそって、お答え頂ければと思います。また現段階での問題点などありましたら行政側からの現状の課題としてお答え頂きたいと思います。 次に、2004年3月に日本図書館協会図書館政策特別委員会が「公立図書館の任務と目標」を公表しました。その第2章において市町村立図書館のシステムについて提言されております。その中で最も重要な項目は図書館システムであり、図書館システムを構成する本館と分室においては、独自に活動するのではなく、本館を要とし統一されたサービス計画の元に、組織全体として最大の効果を上げるように活動することであるとしております。勿論、学校図書館もその一部として考えられるべきであり、ある面大切な分室であることも付け加えておきたいと思います。さらには、図書館サービスにおいても重要な項目があります。図書館サービスとは、図書館は資料提供の機能の展開として、貸し出し、レファレンス・サービスを行うとともに、住民の求める資料や情報に対する要求を喚起する働きかけを行う。住民の図書館に寄せる期待や信頼は、要求に確実に応える日常活動の蓄積によって成り立つ。その基礎を築くのは貸し出しである。様々な生活条件を担っている地域住民が等しく図書館を利用できるためには、その様態に応じてサービスの上で格別の工夫と配慮がなされなければならない、とあります。つまりは住民からのあらゆる要求に応えることばかりが重要ではなく、貸し出しを重視するという活動をしっかりと行うべきで、そのためのサービスには惜しみない努力をするべきと理解するものであります。例えば、インターネットを利用した蔵書検索システムであったり、インターネットでの貸し出し予約システムであったり、公民館をはじめとする公共施設の開館時間をフルに使った返却システムであったり、各学校図書館との連携に基づく相互貸借であったり、県立図書館や近隣市の公立図書館との連携強化であったりすることではないでしょうか。元々、この「公立図書館の任務と目標」という提言は、公立図書館である以上、少なくともこのレベル程度の活動は、という「基準」を提起することを意図として始められたものではあります。しかし、「基準」といえば図書館法にいう「基準」のことである、との混同を招く恐れがあるともいっております。つまり図書館法は一つの基準の表し方であり、その方法があらゆる市町村において有効であるとはいえないということであります。独自にその地域に合った、特色ある住民サービスの展開を行うことにより、最小の経費で最大の効果を求めることができるという考えが、今の時代にあった図書館の在り方ではないかとしています。この「公立図書館の任務と目標」においても、「基準」という言葉は単に数量的なものが意識される傾向が強いので、この言葉はここでは使用しないと訴えていることはしっかりと伝えておきたいと思います。 次に管理者について考えてみたいと思います。1998年3月に特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が成立し、12月に施行されました。このNPO法が成立した背景には、阪神淡路大震災や日本海の重油流出事故の際発揮されたような、住民の自由な意思を尊重したボランティア活動があったことは言うまでもありません。日本NPOセンターの報告によると、アメリカでは、公民館や美術館、博物館などの社会教育施設の多くがNPOの運営によるものだそうであります。図書館もニューヨーク・パブリック・ライブラリーをはじめ、NPOの運営によるものが多く、NPO抜きにアメリカの図書館活動は成り立たないとも聞き及んでおります。国内の図書館活動では、1999年12月に初めてNPO法による「高知こどもの図書館」が会館しております。母体は1995年に発足した「高知こどもの図書館をつくる会」であり、公設民営方式で、以前からの文庫活動の積み重ねのうえに、公立図書館とはひと味異なる手作りの図書館活動を目指しているそうです。1つ成功例を披露させて頂きますが、鹿児島県阿久根市立図書館は、2005年4月から市内のNPO法人「ぷれでお」に管理運営を委託しております。1964年に建てられた阿久根市立図書館は、490uの面積に、71000冊の蔵書、人口25900人にサービスしている規模であります。公営当時は職員6名でうち臨時職員4名、この臨時職員は司書有資格者でありました。図書資料費は年間482万円で人口一人あたり186円、貸し出し登録者数は市民の6.6%、人口一人当たりの貸し出し冊数は12.24冊とそれほど多くなく、サービスのレベルも決して高いとは言えない。また市の財政も厳しい状態におかれているため、電算化もされていなかったという状態だったということです。2004年2月に阿久根市の「第3次行政改革大綱」により、図書館への指定管理者の導入が決まり、2005年1月に応募のあった3団体の中から、「公平性の確保」「職員の採用・配置計画の妥当性」「住民利用者との協働活動を考えているか」など27項目で総合的に判断し、NPO法人への委託が決定しました。このNPO法人では、従来市立図書館で臨時職員として働いていた司書資格者4名が中心になって、図書館ボランティアや利用者にも参加を呼びかけ立ち上げたものであると聞いております。無資格の正規職員2名のうち1名は退職、1名は市役所の別の部署に異動し、NPO法人メンバーのうち6名が運営にあたっています。従来、土日は午後5時までだった開館時間も平日と同じ7時まで延長し、その時間内は必ず司書が対応できる体制であり、NPO職員の人件費は、臨時職員だった頃に比べていくぶん増加し、自活できる給与を確保していると聞いております。この運営委託により、市の経費は700万円ほど削減できたことも付け加えておきます。 このような例はまだたくさんあるとは思いますが、私は決して、NPO法人をはじめ民間委託が絶対にいいんだと申しているわけではありません。様々な可能性を考えて頂き、図書館としての住民に対するサービスをしっかりと担保することは当然のこととし、そのサービスをどのように展開していくのか。今後の高浜市立図書館の展望としてどのような観点から、どのような方向を目指していくべきか。現時点でのお考えをお聞かせ頂きたいと思います。 以上で一回目の質問とさせて頂きます。再質問 「公立図書館の設置と運営上の望ましい基準」に沿ったお答えありがとうございます。敢えて基準に沿ってお答え頂いたのは、現時点で「高浜市立図書館はよく頑張ってるな」ということが分かり易く理解できると思ったからであります。あの立地であの予算で十分に努力をしていると判断できます。しかしながら、今後はもっと図書館に期待をしていきたいと考えますので、市民を含めて「これからの図書館の在り方検討会議」みたいな会議を立ち上げ、検討して頂きたいと思います。・現段階で外部への委託業務がどれだけあるのか。また、現在の図書館ボランティアの活動状況はどのようなものであるか。今後はどのように進展させていくのか。今後の外部委託を増やす予定はあるのか。・市立図書館での指定管理者制度の適用についてでありますが、指定管理制度の一部又は全部適用は考えているのか。今後無償及び有償ボランティアの活動に期待するものは。・公立図書館ブランチ計画市内の空いているスペース、例えば閉鎖中の商業施設などを積極的に市立図書館のブランチとして再活用し、図書館運営委員会などの設置により、その地域の実情にあった特色ある運営を自主的に行ってもらう計画。・図書購入ブックオフ計画「ブックオフ」の方式を参考にし、市民から格安に図書購入し、ボランティアの方々の協力を頂き、図書の再生や再配置する計画。日本図書館協会は当初、指定管理者の導入は絶対ダメだ!みたいな態度でありましたが、現在では「指定管理者の導入に対しては、公立図書館においても、指定管理者制度の導入如何を問わず、自らの管理運営を問い直すよい機会ととらえることができる」という見解を出しております。そういう意味では、それぞれの図書館の職員をはじめ行政と住民が共に、図書館の設置目的は何か、事業計画、サービス計画、改善計画をもっているか、利用者による外部評価のシステムがあるかなどを含めて、改めて検証し、今後の管理・運営の在り方を考える絶好の機会ととらえることができると思われます。その際、利用者である住民がしっかり判断をくだせるような十分な資料提供をお願いしたいとおもいます。今後の高浜市立図書館に大いに期待したいと考えます。
平成18年度9月度定例会一般質問1番 北川広人 @ 議長のお許しを頂きましたので、先の通告に従い「高浜市立病院について」の一般質問を一問一答方式にてさせて頂きます。尚、午前中の水野金光議員の質問とテーマが重なりますので、若干質問や答弁が重複するものもあると思います。当局におかれましてはお手間とは思いますが、お情けをもって丁寧な対応をお願い致します。それでは質問に入らせて頂きます。 そもそも日本におけるほとんどの「自治体立病院」は戦後の混乱期に「地域医療の不足」あるいは結核や伝染病といった「社会的な問題」を解決する手段として設置されました。当時、医療機能やその形態、あるいは医学的な水準など問題ではなく、一般医療の充足と特殊医療の補完こそが自治体立病院の『使命』であると誰もが認識し、税金の投入に対して何の異論も唱えられなかったと思います。しかし、高度経済成長と国民皆保険という時代背景は、民間病院におけるその規模の拡大と機能の充実をもたらし、自治体立病院が果たしてきた一般医療の充足という1つの歴史的使命は終わったのではないでしょうか。その後、高額医療機器と先進技術を駆使した高度医療が自治体立病院の新たな使命として認知されてはきましたが、民間病院も高度医療に参入し地域の医療水準は飛躍的に向上しました。つまり、高度医療でさえ自治体立病院にとって、胸の張れるものではなくなり、残る使命は、その経済性から民間が手を出しにくい「へき地・離島医療」や「周産期・小児医療」あるいは「救急・救命医療」といった、まさに日のあたらない不採算医療のみという厳しい声が聞こえてくるのが、現状ではないかと思います。つまり、これまでの日本の医療の歴史は、常に自治体立病院が先導役となり方向性を決め、民間病院がこれに追随・発展してきたといえるのではないでしょうか。また、経済不況の世の中にあって行財政改革は喫緊の課題であり、その一環としてなされている医療制度改革は「社会コスト」と「サービス」の二つの視点で捉えることができると思います。医療を「コスト」とみなせば、30兆を超える国民医療費をいかに抑制するかに心血が注がれ、そこには医療の安全性や質的向上など入り込む余地はないと考えます。一方「サービス」と認識すれば、消費者である患者にとっての価値の創造に焦点が絞られ、製品としての医療の品質を保証できない病院には、市場原理による自然淘汰が待ち受けているということになります。つまり、かつては、企業の世界に限定されていた「高品質と低コスト」という相反する命題が、いまや、護送船団方式によって守られてきたすべての医療機関にも突きつけられているのではないかと思います。特に、繰入金という税金が投入されながらもその半数以上が赤字経営という「経済性」と、旧態依然とした使命としての「公共性」に対する風当りは強く、自治体立病院のあるべき姿が厳しく問われていると思います。つまりいかにして、経済性を確保しつつ、本来の責務である公共性を時代のニーズにあった形で発揮していけばよいのかが大きな課題であると認識するものであります。それでは本当に自治体立病院の使命は終わってしまったのでしょうか。私は決して本質的な使命が否定されたとは思いません。戦後の混乱期に始まり、高度成長期に形成された古い枠組みや、現在の経済低成長期での多様化した価値観では、その存在意義を評価できなくなっているのに過ぎないと考えるものであります。そこで当局に伺いますが、そもそもの自治体立病院の使命とはどのように考えているのでしょうか。この高浜においての自治体立病院、高浜市立病院の使命はどのように変わってきたのでしょうか。どう理解しているのかお聞かせください。尚、この後の質問は自席にてさせて頂きます。よろしくお願い致します。A自治体立病院の使命というのは非常に大切だと考えます。自治体立病院の経営責任と果たすべき社会貢献については、徳島県病院事業管理者で坂出市立病院院長の塩谷泰一(しおたに たいいち)先生が、これからの時代における自治体立病院のあるべき姿とは、どのようなものか三つのキーワードをもって提唱されています。非常に感銘を受けましたのでご披露させて頂きます。 三つのキーワードのうち、一つ目は「個別性」であります。自治体立病院の開設経緯・立地条件・規模・医療内容・実績などは千差万別で、都会には都会の、田舎には田舎の特性としての文化と価値観がある。とすれば、その役割を画一的に「かくあるべし」と定義するのではなく、地域特性を反映し、個別性に富んだ医療を提供することが求められてくる。例えば過疎地には一般医療を、都市には小児・救急医療を。医療過密地区には、高度・先進医療を提供するなどということであります。これらは自治体立病院だからこそやらねばならないものであり、そこに、普遍的な使命の意義を見出すべきだと言っておられます。事実、自治体立病院は、住民の要請としての議会の決議を受けて設置・運営されていますし、その命を守ることを責務とする行政の医療施策実現の担い手として存在している点が、民間病院と根本的に違うわけです。つまり、自治体立病院の使命は、住民ニーズの変化とともに移り変わっていって何の不思議はなく、また変わっていくべきものであると言っても過言ではないと思います。二つ目は「正しい医療秩序」の形成であります。自治体立病院は自分だけの反映だけを考えるのではなく、地域医療全体を見据えた行動を取らなければ、税立病院としての社会的共感は得られません。つまり地域医療のコーディネーターとしての役割が求められていると言われています。だからこそ、税金が投入されている自治体立病院には、地域に存在する医療秩序の住民にとっての妥当性を検証することが求められるのです。それが正しいものであれば、承継・発展させ、そうでなければ解体・再構築しなければならないと考えます。「正しい医療秩序」作りの主導権は、当該地域での実績・信頼性・影響力・経営資源などにひいでている病院がもつべきであり、それが民間病院であってもいっこうに問題ないと思います。その地域に存在する自治体立病院は、その補完役に徹するべきとも考えます。つまり開設母体や運営母体が「官」であるか「民」であるかは問題ではなく、自治体立病院が自ら「地域全体の医療の最適化」の必要性を考え、その実現に向けて他の医療機関と一体となって努力すべきと考えます。三つ目は「時代の要請」実現の推進役になることであります。果たすべき役割の一つはグローバル・スタンダードとしての医療政策への貢献であり、「安全・安心・安定」を念頭に、セイフティネットとしての医療の充実に積極的に取り組み、先陣を切って、時代の要請としての「医療の質と透明性、効率性」を満足させていかなければならないと考えます。そうすれば、地域全体の医療水準が高まり、住民が安心して暮らせる地域社会が実現すると言われております。以上の正に「三つのキーワード」が今後の自治体立病院のあるべき姿として共感を覚えるものであります。このような考え方を高浜市立病院に置き換えてみますと、高浜市立病院が何をなすべきかが見えてくるのではないでしょうか。特に今後高浜市立病院に課せられる使命は、この地域全体の医療の最適化に対する努力ではないかと考えるものです。次に現在日本各地において自治体立病院のバッシングが各方面からかなりあると聞き及んでおります。税金で建て、税金を払わず、さらに赤字経営の分を税金で賄っている税立病院だと言われている程であります。日本全国においては、平成15年度の地方公営企業年間によれば、全国約1,000の自治体立病院では合計7,319億円の繰入金が投入され、932億円の経常損失が生じているのが現状であります。累積欠損金の総額は1兆6,190億円にのぼり、経済的損失と提供している公的医療の中身の妥当性に、各方面から非難を浴びせられているものと考えます。自治体立病院の経営が他の公的病院と異なっているのは、すべての経費を料金収入で賄うのではなく、公共的部分については一般会計から繰り入れによって行われていることは理解しておりますし、特に、高浜市立病院に対しての繰入金は赤字補填の繰入金でないことも周知しております。以上を踏まえて、高浜市立病院における今までの経営状態はどうであったか。また、病院事業経営改革検討委員会を設置するに至った目的と経緯、及び高浜市立病院の現状と見通しについてお聞かせください。 Bつまり、病院事業経営改革検討委員会の設置については、ここ3年間で病院事業経営が改善されてきている。しかしこの段階で、将来を見据えた病院経営を考えるべきだというのが委員会設置目的であり、さらに本年度当初から深刻な医師不足に陥った経緯があり、それを踏まえた経営形態についての議論の場となったと理解すればいいわけですね。この病院事業経営改革検討委員会に関しましてはすべて傍聴をさせて頂きましたが、高浜市立病院に関しては言うまでもなく、公共的部分に対しての繰入金があり、繰入金の財源は税金であるわけですから、基本的には公共性としての住民の期待に応え得る医療を提供しているかが問われる対象となると思います。その点では病院事業経営改革検討委員会において委員会という第三者は、委員長をはじめ各委員の方々から非常に高い評価を与えて頂いたことを、ここで強く伝えておきたいと思います。 次に、その病院事業経営改革検討委員会からの答申についてでありますが、簡単にポイントを教えて頂きたいと思います。それからこの病院事業経営改革検討委員会からの答申を受けて、答申書にある指定管理制度でありますが、当局としてすでに他の事業で行っている経緯を踏まえて、病院事業における指定管理制度の考え方をお聞かせください。Cこの7月に私が所属する建設病院委員会では、山梨県笛吹市と神奈川県横浜市と静岡県富士宮市の三箇所の病院に対して視察を行いました。特に富士宮市立病院に関しましては自治体立病院ということで、高浜市立病院に参考になると考えておりました。それでは、富士宮市立病院について紹介させて頂きますが、この病院は平成10年度まで赤字経営であったが、平成11年度から平成17年度まで黒字を続けるという素晴らしい改革を評価され、平成18年度全国自治体立病院表彰を受けている病院であります。現在ベット数は350床でありますが、実際は500床並みの稼働率であると聞きました。木村泰三(きむら たいぞう)病院長は公立病院の院長でありながらコスト意識が非常に高く、医療機器や物品の購入のみならず、委託や修繕の契約においても随意契約は廃止し、競争入札か相見積もりを実施し、職員全体がコスト意識をもつよう改革をしたそうです。また医療機器においては、医師から仕様書を提出させ、業者が医師に個別に勧めている特定の機器ではなく、仕様書により病院長と事務サイドが判断した機器に決定し購入しています。さらに増設工事では12億円かかる予定であったものを県内外50社が参加の一般競争入札を断行し、8億円で完成させたそうです。また、院長の医師としての技術やカリスマ性やパワーは、他の医師をはじめ職員全体の信頼に大きく寄与していると感じました。以上のように経営手腕と公共性に関しては非常に評価できました。さらに、富士宮市立病院の運営方針においては患者本位の医療、良質な医療、行政サービスという自覚をもった医療を行う。そして健全経営を心がけ、市の行政サービスの重荷にならないような運営を行うとあります。そこまでの自治体立病院をつくり上げた木村病院長に、高浜市立病院は非常に努力し、頑張っている。当病院ももっと見習わなければならないとお褒めの言葉を頂いたことも重ねて報告しておきます。しかし、この富士宮市立病院の背景もしっかりとお伝えしておかなければなりません。まずこの病院に対する地域の医療圏でありますが、近隣市町を含めて15万人が医療圏であり、それがイコール診療圏として捉えられ、総合病院というものはこの富士宮市立病院だけであります。医療圏と診療圏が合致することは市民の専門医志向を高めることに繋がります。病院の専門性が高まることは研修医を集める上でも大きな要因であるとのことでした。また、医師不足に関しましては浜松医科大学と富士宮市が昭和61年くらいに念書を交わし、浜松医科大学の第二付属病院のような形で医師を派遣して貰っているとのことでした。このことも今日本中で医師不足が叫ばれる中、非常に羨ましい限りであると思います。つまり、富士宮市立病院は非常に運営しやすい背景があるということであります。勿論、院長はじめ医師、職員の努力は評価すべきと考えております。以上のように医療圏とか診療圏というものは非常に大切なことであると考えますが、当局としては高浜市の地域としての医療圏をどのように捉えているのか、お考えをお聞かせください。D次に今後の方向性と運営携帯変更までのスケジュールでありますが、指定管理者制度に係わらず、議会の決議も必要な事柄が出てくるものと思いますので、現段階からどのような手順で今後進めていくのかお考えをお聞かせください。E先程の富士宮市立病院の例もありますように、総合病院においては医療圏と診療圏ができるだけ一致することが、病院の安定的経営を高めると言われております。指定管理者制度を選択するのならば、是非、西三河南部医療圏に事業所がある医療法人による管理を考えて頂き、高浜市民に対する医療という住民サービスが恒久的に続く方策を進めて頂きたいと考えます。今日の私の一般質問の趣旨は、高浜市立病院は今日まで、しっかりと運営されてきているということ。そして今後は私立病院の使命というものをしっかりと考えていかなければならないのではないかということ。それは、この地域の医療の秩序とか医療の最適化ではないかということ。何がなんでもこの地域の医療を残すべきだということ。そのためにはあらゆる手段を講ずるべきだということであります。最後になりますが、現段階で市長はどこまで腹を括っているのか。管理者である高浜市の考えがしっかりと出されなければ、例えば指定管理者としての相手先も二の足を踏むのではないでしょうか。残された時間は本当に短く、早い決断が市民の血税を守ると言っても過言ではないはずです。検討しなければならない事柄も多々あるとは思いますが、決断をしなければならない時期がきております。我々議員もその決断を踏まえしっかりと議論をし、市民の理解を得ながら、市民に伝えていかなければならない責務があります。今のお考えを是非、お聞かせください。